アンプのデザインについて思うところを書き連ねてみました。 美しくなければアンプではない MJ誌の著名な執筆者の中に「アンプは音さえ良ければデザインなどはどうでもよい」と言っ てはばからない御仁がいます。でも、本当にそうでしょうか? 道具は本来の目的さえ達成出来れば良いというなら、椅子は座れれば良いしテーブルだって物 が置ければそれで良い訳で、およそこの世にインテリアデザインなんて言葉は存在しないはずで す。肝心のアンプの場合はどうでしょう。映画館や劇場に置かれる物ならデザインが問題になる 事は少ないでしょうが、自作アンプの舞台となる一般家庭の場合はそうはいきません。 貴方専用の書斎やら試聴室とかを持っている方は少数で、多くの方はリビングや応接間兼用の 部屋で音楽を聴いているのではないでしょうか。当然にその部屋には奥様をはじめご家族の方が 出入りし、アンプも何度となく奥様の目に留まるでしょう。というより奥様がその部屋で過ごす 時間の方が長いかも知れません。その時に、貴方の製作したアンプが無骨な外観で部屋のインテ リアとも調和していなくて、奥様が日頃から目障りに思っていたとします。たまたま奥様の機嫌 の悪いときに貴方の帰宅が午前様になったとしたら、下手をすると貴方は締め出されアンプまで 外に放り出されかねません。しかしアンプが部屋の雰囲気やインテリアと上手く調和していたら たとえ貴方は締め出されても貴方の大切なアンプは無事に朝を迎えるでしょう。 上記のような話は極端な例だとしても(ないとは言い切れませんよ!)多くの方のオーディオ ライフは、くつろぎながら好きな音楽を聴く事により、日頃の疲れを癒し明日への活力の糧とし ているのではないでしょうか。いわば、落ち着ける空間とその空間にマッチしたデザインの再生 装置は、どちらもお気に入りの音楽を気持ち良く聴く為の必要条件なのです。 |